岩手製鉄が創業した1949(昭和24)年当時、岩手県は「木炭」の生産量が日本一であり、沿岸地域には質の高い鉄鉱石が採れる釜石鉱山がありました。
「産業の米」とも言われ、戦時中は国内で年間800万トンもの生産量を誇っていた「鉄」ですが、戦争で多くの製鉄工場が焼かれ、戦後間もない1950年には年間56万トンまで激減します。
そこで、地元の「木炭」と「鉄鉱石」を有効活用し、「産業の米」と言われる「鉄」を造ることで、戦後の日本の復興を支えようと誕生したのが岩手製鉄です。
ピーク時には国内の基幹産業向けに、年間8万トンを高炉にて鋳造用の銑鉄(鉄鉱石から取り出した「鉄」)として生産販売していました。
人間にとって、本当に大切なものは何なのか。
人間がどうしたら幸せになれるのか……。
常にそう問い続ける岩手製鉄のものづくりの原点は、創業当時、戦後日本の復興を、地域経済の発展とともに支えたいという想いから出発しました。